QT延長症候群。ICD(植え込み型除細動器)との生活。

LQTSの難病女子。自分にしか生きられない人生を。

QT延長症候群
ICD(植込型除細動器)との生活

働き盛りにLQTSという心臓の難病を発症しながらも楽しく生きている人の記録。

カミングアウト

f:id:sherwoodgreen-robin:20161201171835j:image

 

今月から、会社に新しい人が入りました。

いつもニコニコして穏やかな素敵な人。

 

私がやっていた仕事の一部を引き継いでくださる方です。

 

さて、新しい人との出会いがあった時に困ること。

 

この人に病気のことを話しておくべきか?

バッグに付けているヘルプマークを外してしまえば、私はごく普通の30代女性にしか見えません。

(30代に見えるかどうかは別として)

 

育児中だから時短勤務とはいえ、仕事の量も責任も皆と同じだし、自分から言わなければ絶対にわからない自信がある。

 

隠したいという気持ちは全く無いけれど、わざわざ言って気を遣われたりしたら申し訳ないなーと思うんですよね。

 

つい先日、私が倒れた日よりも後に入社した子に病気のこと・ICDを入れていることを話したらものすごく驚かれてしまった。

 

彼女にとって、この歳でペースメーカー的なものを入れている人に出会ったのは初めてだったかもしれないし、心臓に病を抱えている人と会うのも初めてだったかもしれない。

 

驚きと困惑と、これからどう接すればいいか混乱したのだと思います。

 

 その時は私の性格を知っている同僚たちが茶化してくれたおかげで「あ、普通に接していいんだ」とわかってもらえたけど、毎回そううまくいくものかどうか。

 

なんて切り出せばいいの?

「実は私、病気で…」←重い。

「実は私、サイボーグで…」←変な人だと思われる 

「去年倒れて入院したんです」←ブラック企業だと思われそう

 

ソフトに、ライトに、のほほんと話したい。

これが難しいんですよね。

話のきっかけを掴めない。

唐突に話し出すとなんか怖いし深刻に受け取られそうだし…。

でも、周りは知っててその人だけ知らないというのもなんか変だし、周りの人から話すことでもないから、やっぱり自分で伝えるしかない。

 

こう、うまーく話の流れを作るしかないですな。

「やだー驚かせないでくださいよー!心臓止まっちゃいますー。本当に止まったことあるんですけどー!」的な感じなら自然だろうか。いや、不自然だな…

 

珍獣みたいなものだと思ってもらいたい

動物でいうと、オカピみたいな…パンダみたいな…コビトカバみたいな。

病人として見るのではなく、この珍妙な生き物はなんだろう?みたいな目で見て欲しいです。

 

死にかけて生き返っちゃった人、体に金属入ってる人、時々バッテリー交換が必要な人…どれを取ってもまあまあ珍しいヒトでしょう?なかなか会えない生き物なんだから、どうせなら面白がってもらいたい。

 

病気だけど「頑張ってる」とか、大変なのに明るく振舞っているとか、そういう見方をされるのはなんか違う。

隔てられている感じがする。

 

面白がるのは難易度高くても(笑)、ごく普通に接してくれるか、気兼ねなく病気のことやペースメーカーのことを聞いて欲しいです。

 

 

それはでも、仲良くなってからでないとできないことだよなあ。

 

 

事実、保育園の送り迎えの時は、ヘルプマークを隠している。

保育園のママたちの関係ってそこまで深くはならなくて、だから変に気を遣われるのも嫌だなーと思って。

 

(話は逸れますが、小さな子どもがいる母親って、道端にママチャリ停めて日々井戸端会議を繰り広げているイメージを持たれたりする。

 

それを保育園建設の説明会で「建設反対理由」として上げられたりする。住民の通行の邪魔になるし、ウルサイって。

 

でもね、保育園に子どもを預けている母親にはそんな時間ないのよ。

 

朝は急いで会社に行かないとならないし、帰りは少しでも早く帰ってご飯・お風呂・保育園から持ち帰った汚れ物の洗濯をしないとならない。

時々は、子どもが寝た後に、終わらなかった仕事の続きをやったりする。

 

仲良しのお母さんはいるけれど、それぞれ違う仕事をしているからお迎えの時間が合わないことがほとんどだし、たまに会えてもすぐに「じゃあね!」といって家路を急ぐ。

これが保育園に通う親の実態です。)

 

趣味を話すように病気の話がしたい

話を戻すと、病気のことを人に話すのって本当に難しい。

なぜかと言うと、世の大多数の人は潜在的に「人は健康なのが普通」と思っていて、病気や障害がある人は「特別」で「特殊な存在」だと無意識に区別しているんだと思うんですよね。

悪意なく無意識に、そういう空気が作られている。

 

こちら側からすると、そんな空気の中で病気の話をするのは気がひける。

 

 ただ、少しずつその区別は無くなりつつある気もしていて。

 

例えば、視力が悪くて眼鏡をかけている人を、日本では誰も特別だと思わない。

左利きも、昔は矯正されたり珍しがられたけれど、今はだいぶ寛容になってきた。

 

 右手より左手の方が器用な人もいるよね、視力が悪くても眼鏡で補えばいいよね、みたいな許容力。

 

これがもっと広がって、心臓が止まりやすい人もいるよね、ICD(ペースメーカー)で補えばいいよね、と受け容れられる世界になるといいなと思います。

 

そしていつかは、出身や職業、趣味の話をするように、

「やあ、僕ボブ。仕事はエンジニアで趣味は料理、QT延長症候群っていう病気で突然心臓が止まっちゃうから、ICDを体に埋め込んでるよ!よろしく!」

みたいな会話が普通にできる世の中になればいいのになー。

 

 

…ボブって誰だろう。

 

投薬(アーチスト)をやめてからの脈の変化

アーチスト服用中

f:id:sherwoodgreen-robin:20161129013144p:image

 

 夜間など、42くらいまで脈が落ちることが頻繁にありました。

 

アーチスト服用停止後

f:id:sherwoodgreen-robin:20161129012414p:image

 

アーチストをやめると、夜間の脈がだいたい50前後まで回復。

 

遺伝子検査の結果、β遮断薬としてアーチストを服用しても効果が見込めないということで、薬を停止して1ヶ月。

いい感じです。

はてなブックマークのコメントに返信する方法

はてなブログを初めてしばらく経ちますが、わからないことがひとつ…。

 

はてなブックマークのコメント欄にいただいたコメントに、どうやってお返事を書けば良いのでしょうか…?

 

お返事したいのに、無視してると思われていたらどうしよう…と悩んでおりますので、通りすがりの親切な方、教えてくださいませ。。

親知らずを抜くのも一苦労

ただの親知らずを国立病院で抜くことになってしまったという話。

 

ICD手術後、生活上の注意点をいろいろ言われたのですが、その一つが「歯を健康に保つこと」でした。

 

虫歯菌が歯から血液を通って体に入ってしまうことがあり、感染症のリスクが高まるから、だそうです。

 

わかってはいるけれども、歯医者に通うのって結構面倒だなーと思って行っていなかったのですが、さすがにまずいかなー?親知らず横向きに生えてるしなー?と思って、行ってきました。

 

引っ越してきてから一度も歯医者さんに行ったことが無かったので、ネットを駆使して評判のいい歯医者さんを探して予約。

今の時代はネットで予約できて便利ですね。

 

幸い虫歯は無く、昔治療した箇所のメンテナンスで済みそうなのですが、親知らずだけ大袈裟なことに…。

 

問診票。

  • 持病はありますか?

        →はい。病名:不整脈(ペースメーカーを入れています)

  • 現在他の病院に通院していますか?

        →はい。病院名:◯◯ 

 

という風に書いておいたら、先生に色々聞かれ。

私    「正式名はQT延長症候群です」

先生「え?」

私    「心拍のQからTが延びてしまうやつで…」

先生「口腔外科専門だからわかるんだけど…PQRSTの?」

私    「はい、QからTが延びちゃうんです」

先生「えー初めて聞いた笑 なんか違和感感じて病院に行ったの?」

私    「いえ、自宅で心肺停止で倒れてて」

先生「えー!笑」

 

お医者さんとこの話するの好きです。

遠慮せず質問してくれるし、面白がってくれるので。

一般の人はなんか遠慮してくるからつまらないのです。

 

それで、なぜ国立病院(持病のかかりつけ病院)に行くことになったかというと…

  • 親知らずを抜くときの治療器具の中には、ペースメーカーにとって良くないものがある
  • 一般的には、今回の治療で使う
  • ここで治療できるけど、主治医の先生に症状のことや気をつけることなど、お手紙を書いて、お返事をもらって…とやるととても時間がかかる
  • 親知らずの隣の歯が虫歯になっていそうなので早く抜いた方が良い
  • かかりつけの病院が近いし、同じ院内なら口腔外科と循環器科の連携もできるだろうから、そうしたら?

 

ということで、安全を優先することになったためです。

 

普通の治療はこちらの歯科でやっていただけるし、抜歯後のケアもやってくれるとのこと。

 

というわけで、ただの親知らずのために大きな病院のお世話になることになってしまったのでした。

 

早く抜いておけば良かったな…。

 

 発症から1年、8割方普通の生活ができているのですが、ICDを入れたことで、こういう細かいところで不便があります。 

子が今シーズン1回目の胃腸炎になりました

腸炎の季節がやってきましたね。

我が子、昨年(0歳)もこのくらいの時期にかかりました。

そして私はうつされました…。

 

土曜の夜に発症したのですが、脱水症状が怖かったので日曜に病院に行くことに。

 

そんな時に役立つのが、東京都の医療機関検索システム「ひまわり」です。

 

東京都医療機関案内サービス“ひまわり”|東京都内の医療機関をさがせます。

 

2000年代のデザインなのでもちろんスマホ非対応…。

ですが、診療科目ごとの検索も、曜日時間帯ごとの検索もできるのでけっこう便利です。

 

熱は全く上がらず、ひたすらマーライオンという初めての症状でした。

もうほとんど元気です。

 

昨年は2回だったけど、今年は1回で済むといいなー(切実)

はてなブログ5周年ありがとうキャンペーンお題第1弾「はてなブロガーに5つの質問」

はてなブログ5周年ありがとうキャンペーンお題第1弾「はてなブロガーに5つの質問」

1. はてなブログを始めたきっかけは何ですか?

1年前にQT延長症候群という病気を発症し、ICD(植込型除細動器)の手術をしました。
入院中、自分が患っている病気の情報や同じ病気の人がどのような生活をしているのか、ネットで調べてもあまり情報が出てこず、これから自分がどうなるのか不安でした。
 
幸いなことに、ブログが書けるくらい元気になりましたので、同じ病気で悩んでいる方へ少しでも情報提供になればと思い、はてなブログを始めました。

 

2.ブログ名の由来を教えて!

同じ病気の人、ICDを入れた人にわかりやすいように、そのままのタイトルにしました。

 

3.自分のブログで一番オススメの記事

 

4.はてなブログを書いていて良かったこと・気づいたこと

 自分が病気のことを書いているので、闘病中の方やそのご家族のブログを読む機会が増えました。

病気になるということは、どんなに前向きに生きようとしたってやっぱり苦労はあるし、辛い思いも嫌な思いもします。

それでも、泣いたり笑ったりしながら生きている人がこんなにたくさんいるんだと、その方々のブログを読んで勇気づけられています。

 

5.はてなブログに一言

飽きっぽい私には珍しく続いています。

自己最長記録更新するぞー。

 

えいごであそぼ with Orton

たま〜にEテレで放送される「えいごであそぼ with Orton」になぜか我が子がどハマりしています。

 

いつものEricが出てくる「えいごであそぼ」とは内容も出演者も違って、メインキャストは厚切りジェイソン(Dr. Jason)。田中理恵さんが体操のお姉さんをやっていて実にエレガントです。

 

Phonicsフォニックス)をメインに番組構成されていて、ジェイソン博士が子どもたちに英語の発音を教えてくれます。

 

Phonicsは英語の文字と発音をリンクさせて覚えることで、文字を見たときに読み(発音)・書きができるようになる…というメソッドで英語圏では一般的な英語教授法です。

 

5年くらい前に英語指導員(J-SHINE)の資格を取ったときにこの方法を教わって、以来自分の英語学習にも結構役立っています。

 

えいごであそぼ with Ortonはお試し放送なのか、「a」の発音の回が繰り返し再放送(祝日に放送されることが多い気がします)されています。

 

おかげで「りんご」は言えない我が家の1歳児はほぼ完璧に「apple」を発音できるようになりました笑

 

たぶん録画を100回くらい観てさすがにaは飽きてきたので、早く新作を放送してくれないかなーと期待する毎日です。

 

なぜか私、厚切りジェイソンとは遭遇することが多く、街中でお見かけしたり、たまたま旅行先で通りがかったイベントのゲストに来ていたり、なにかご縁があるのでしょうか?

 

我が子は彼がテレビに映ると、「あ、appleらー!」と大喜びしています^ ^

循環器科に行って胃薬を処方される

忙しくてブログを書く暇もない今日この頃です。

 

業界の繁忙期が11〜12月なので、準備やら何やら奔走しています。

 

今年から管理職的なものになり(育休復帰したばかりの病人に任せるなんてほんと度胸あるなと自社ながら思う)、その上なりゆきで全然業務内容が違う他の部署を1人で兼務しているので、もうわけがわからない状態でとにかくできることをやり続けてはや半年。

 

そりゃあ胃痛くらいおきますわな。

 

昔、逆流性食道炎になったこともあり、ストレスが胃にくるタイプのようです。

 

それでこの前の診察で先生に「調子はどうですか?」と聞かれたので、素直に

 

「胃が痛いです」

 

と答えたら、うん、たぶん(心臓の病気とは)関係ないね笑、ストレス?仕事忙しいの?と言いながら胃薬を処方してくれました。2ヶ月分笑

 

 

先日一度、電車の中で立ち上がれないくらい胃が痛くなり、冷や汗が止まらなくなったことがありました。

後でfitbitを見たら、その時間に心拍が急上昇していて、ICDが作動するギリギリくらいまでいっていたので、ただの胃痛とあなどれないのかも知れません。

 

この体でそうまでして働く必要はあるのか?と思うときもあるけれど、仕事中毒なのでやめられないんですよねー。

 

今日も、胃と心臓の調子が良くなることを願いながら仕事行ってきます。

本心(遺伝子検査して良かったこと)

ちょうど一昨日が、ICD植込み手術を受けた日。

この間の診察で見た、バッテリーの残りはあと10年。

これをいかに縮めないかが、勝負。

 

 

さて、先日の遺伝子検査、予想外の結果にはしゃいでしまいましたが…

 

同時に、心から安堵していました。

 

私が要因となる遺伝子を持っていないということは、家族にも無いのだ。

 

息子に遺伝していないのだ。

 

このことが、どれほど嬉しいか。

 

 

結果が出る前は、遺伝性だとわかったらいつ息子に検査を受けさせようか…とか、いろいろ考えていました。

 

 発作が起きたら死んじゃうかもしれないから。

 

進行性の病気だったら、遺伝子検査を受けることをもう少し躊躇したかもしれません。

 

でもこの、QT延長症候群は、発症と死があまりにも近い。

 

その代わりに、予防策を講じればかなり元気な状態で、長い間生きられる。

 

もちろん、ICDを植えればできないことが増えるし、運動も制限される。それが苦痛な時もある。

 

 でもね、命があるのと無いのでは大違い。

 

 

今回検査で遺伝性と判明しなかったことで、息子が検査を受けることは無くなりました。

受ける意味がなくなった、の方が正しいかも知れません。

 

今の医学では発見されていない原因で私の発作は起きており、その原因は、もしかしたら未発見の遺伝子要素かも知れません。

 

そう考えると息子が発症しない保証は無いのですが、今はどうしようもない。

 

だったら余計な心配はせずに、今はのびのびと成長してほしいです。