障害者も幸せに働ける社会は、きっと誰もが嬉しい社会(雇用水増し問題に寄せて)
官公庁による障害者雇用の水増し問題。
最初にニュースで流れてからずいぶん経ちますが、あえて言及して来ませんでした。
でも、やっぱり当事者として発言しておくべきだよねと思い直し、書き記します。
この事件についてご存じない方はこちらの記事をどうぞ。
障害者雇用水増し問題に思うこと
なぜ発言してこなかったか
もうね…呆れて声も出なかった。
ショックとか、傷ついた気持ちにならなかったのは、私がもともと行政を信用していなかったから、というのもあるのかなぁ。
これは障害者差別だし、根底には必ず障害者への偏見があるし、手帳を確認すれば済む話なのに「間違えました」なんてことはあり得ない。
もし本当に「間違えた」のなら、その程度の業務レベルの人間が国の運営に携わっているということの方が恐ろしいです。
今、思うこと
様々な障害者団体や関係者が抗議している。それはもう、どんどんやるべきだし、もっと声をあげるべき。
私も、批判を続けていこうと思います。ただし、ヒステリックにならないように注意深く。
私にも怒りの感情はあるけれど、向こうの立場に立って、彼らの気持ちを想像してみた時に、批判するだけではだめだと思いました。
彼らは、知らない。
障害者のことを、きっと知らないのだと思います。
私たちが何ができるのか、どんな時に配慮が欲しいのか。わからないから怖いのか、「わからない」ことを認めたくなくて、向き合うことを恐れたのかはわからないけれど、とにかく避けようとした。
あいつら、ほんと狡いな!とはもちろん思っています。
でも、知らないことに向き合うにはパワーがいるし、恐怖心を乗り越える努力がいる。そのことを思うと、彼らに対して抗議するだけでは、本当に我々が望む未来は近づかないと思いました。
障害者雇用が進むためには、知ってもらうことが大切。だって知れば、「なんてことない」ことがわかるから。
そりゃ、何かしらに困っているから障害者なわけで、大なり小なり配慮にご協力いただきたいことはあるけれど、そんなに怖がるほどのことでもない場合だって沢山あります。
そのことに、早く気づいて欲しいし、気づいてもらうために自ら体現しなければと思っています。
何ができるか?
具体的に、私にいま何ができるか?世の中に影響力がある人間ではないので、インパクトのあることはできませんが、このブログを続けることで「こんな人もいるよ」ということを残すことくらいはできます。
自然体で仕事を続けることで、「なんだ大丈夫じゃん」と関わる人に見せることができます。
(これは障害のこともそうだし、時短で働く親としても事例になりたい)
友人には病気を隠さず話すし、機会があれば友達が誰か私の知らない人に話してくれてもいい。
できるだけポジティブに、社会に存在することを頑張る、という感じでしょうか。
なんとなく、世の中の人がいろんな障害の人3人くらいと知り合ってくれたら、それだけでも見方が変わるような気がしています。
誰かにとって、その3人のうちの1人に私がなることができたら良いな、そのくらいの気持ちです。
でもこれ、障害を持つ人皆が無理に頑張る必要は全くないです。
障害を人に伝えることで、自分が傷つくことは沢山あるので。先日の記事で書いたように、私も保育園の先生や親御さんたちには、言えていないもの…。
障害者全般への偏見もあれば、障害の種類別にも偏見があるのが今の現状です。
障害者の世界で見れば心臓機能障害なんてほんと気楽なもんだと思います(気楽じゃないから障害なんだけど)。
それでも、ICDの人は突然倒れて死ぬんでしょ、怖いわ〜みたいな誤解はある。
倒れないよ!(滅多に)
そんなにすぐ死なないよ!(そのためにICD入れとるんじゃ!)
微妙な距離感の人には障害のことを話せない
今月、息子の保育園の運動会があるのですが、父兄の参加競技があります。
クラス対抗のリレー。
私は元陸上部。運動会は毎年リレーの選手でした。
しかし、今、全力で走るわけにはいかぬ…。
希望者のみ参加だったので、枠が埋まるのを願って(埋まらなくて声かけられると説明が面倒なので)いたら、帰り際に先生に声をかけられてしまった…。
「リレー、参加しませんか⁉︎」
「いえ、ちょっと…」
「お母さん、足速そうだし、今参加者がお父さんばかりなので、ぜひ(^-^)」
「まあ陸上部でしたが…」
「じゃあ、いいじゃないですか!」
「いや、今はちょっと難しいです…」
「そうですか…」
これで見事に我が家は「非協力的な親」と思われたことでしょう。
でも、このやりとりの中で持病があること、ましてや「私、ICD入れてて…」なんて言えなかった。
ほかの親御さん、お子さんも沢山いる玄関先だったし…。
保育園みたいな、中途半端に人数が多くて浅い付き合いのコミュニティが、一番困ります。
ほとんど関わりのない親御さんに「あの人何か障害があるらしい」ということが伝わって、すれ違うだけで微妙な顔をされるのは居心地が悪い。
だから毎日、最寄駅でヘルプマークをカバンの中にしまい込んでしまうんだな。
保育園の先生には伝えておくのもありだけど…親がICD入れていたって、子どもが保育園に通う上でほとんど影響の無いことだからいう必要も無いし…と思って言っていない。
この悩みは結構深いです…。
ヘルプマークの話題とニュース記事の集め方
ヘルプマークの記事
こんなタイトルのヘルプマーク関連記事を見つけました。
「見えていない」を見せる勇気 ヘルプマークを持つということについて
「見えていない」を見せる勇気 ヘルプマークを持つということについて | おたくま経済新聞
ヘルプマーク導入(予定含む)自治体はついに39都道府県まで広がったそうです!
朗報ですね!大半の自治体が導入を決めた今、未導入の自治体が渋る理由は何もないと思うので、早々に39→47に塗り替えられることを期待しています。
しかし、実感としては当事者以外への認知度はまだまだかなあと思います。
記事の中でも実情が取り上げられていて、中でも衝撃だったのは、この一文。
クローン病(腸に炎症が起きて腹痛や下痢、出血などが起きる病気…うう、辛そう)の方が保健所でヘルプマークを申し込んだら…
「今在庫が少ないので、貴女のような見た目が健康そうな人には渡せない」というまさかの返答
いや、見た目が健康そうな人にこそヘルプマークが必要なんだってば!
唖然というかここまで来るともはや笑えてきますが、保健所の職員ですらこういう認識なら、いわんや世間をや、ですね。
記事にはこの方のエピソードを始めとして当事者の体験談や、ヘルプマーク使用者の障害種別の比率なんかも載っています。面白いのでぜひ読んでみてください。
ニュース記事の集め方
今回の記事もそうですが、普段ニュースはSmart News(アプリ)で読んでいます。新聞社や出版社のweb版やネット上の様々なニュースサイトから記事を拾ってきてくれるアプリ。
表示した記事から実際に読んだものの傾向を分析して、より興味がありそうなニュースが表示されるように記事のピックアップ精度が上がっていく仕組みです。
ヘルプマークの記事はできるだけ読むようにしているので、ヘルプマーク記事の私の画面への表示頻度はたぶん人より高い。それでも2ヶ月に1〜2回くらいかな?ヘルプマークについて取り上げる記事が少ないからだろうと予想しています。
もちろん他の色々な記事も読みますが(なるべく思想が偏らないように複数の記事を読み比べたりもする)、やはり障害者雇用やパラスポーツ関連のニュースに興味が偏りがちです。「LITALICO発達ナビ」なんてほとんど毎日表示されます(そこは、頻繁に記事をあげるリタリコさんがすごいのかも)
今は、大好きな高校野球の記事が多く上がって来るようにちまちまと関連記事を読んで頑張ってます笑
スマートニュース
(利害関係は無いのでご安心を)
障がい者手帳はメリットたくさん!みたいに言うけれど
「身障者 手帳」は 心臓や 腎臓など 内臓の 病気でも 申請できる
というタイトルで、手帳を取得すると色々サービスが受けられるよ、と紹介している記事を読みまして。
読んだ記事は、こちらです↓
まあ、制度としては色々あるけれども、実際はそこまで使えないよ?という事も主張しておきたい。
身障者手帳で受けられるサービスには次のようなものがある。
・義肢、車椅子、盲人用杖、補聴器などの補装具の給付
・特殊寝台、入浴補助用具などの日常生活用具の給付(ただし、介護保険対象者は、介護保険を優先して利用する)
・交通機関(JR、私鉄、飛行機、タクシーなど)の割引
・各種税金の減免
・NHK放送受信料の減免
・自立支援医療の給付
・郵便料金の割引
・有料道路の割引
・特別駐車の許可
・電話番号案内料の免除
・自動車運転免許の取得費助成
・自動車改造費用の助成
これを見るとすごく色んな優遇を享受できそうに思えてしまうけど、それぞれ細かい規定があって適用される人はかなり限られる。
例えば…交通機関の割引には細かな規定があって、障害等級や乗車距離によって適用されないこともある。NHKの受信料は契約者(世帯主)が障がい者本人でなければ対象外、とか。
全ての項目が(条件付き)です。
装具の補助や税の減免など、障害種別や等級によっては大きなメリットもあるので、当事者にはぜひ取得をお勧めしたいですが、健常者の方には誤解をしてほしくないなぁと思います。
そもそも、障害を負いながら生きるのは健常者と比べたらやっぱり大変だし、税の減免があっても、まず納税できるほどの収入がある人がどれだけいるかということ。働いている人だって、健常者と比べたら相当安い金額で雇用されている人も多いです。そして、医療費減免の対象ではない障害の人は、健常者よりも多くの医療費がかかります。
手帳によるサービスで少しは負担が軽くなるけれど、決して得しているわけではないですよー。
ちなみに、私は手帳の申請と障害年金の申請を自力でやりました。
この記事を読んでる方で手帳の取得or障害年金の申請を考えている方がいらっしゃったら、お手伝いできるかもしれませんのでコメントかTwitterにメッセージくださいね。
子連れハワイ旅プラン(オアフ島・ホノルル)
旅行記を上げるにはなかなかパワーがいるので旅程だけのメモ。
子連れで無理なく楽しめたハワイ旅行のプランです。
ポイントは、予備日(後から予定を変えられる日)を作っておくことと、毎日の予定を詰めすぎないことでしょうか。
日程に余裕をもたせると、慣れない土地でも気持ちに余裕ができます。
◆3歳児連れハワイ7日間(オアフ島・ホノルル)
1日目
- 各種交通機関で空港へ
- 空港内キッズスペース利用
- 飛行機(夜発)
- 機内食
- 就寝
- 着陸前に軽食が出るが食欲は無く…
2日目(滞在1日目)
- 朝着・シャトルバスでホノルル中心部へ
- ホテル近くでランチ
- チェックイン
- ホテルのプールでのんびり
- ABCストアのデリで夕食
- 早めに就寝
3日目(滞在2日目)
- ビーチ!真昼はとにかく暑いので午前がおすすめ。行きがけにABCストアでゴザ(3ドル)を調達
- ステーキランチ10ドル
- こちら、かなりお手頃価格な上に白米がホノルルの中ではかなり美味しい方なのでお勧めです!
- ホテルに戻りプール&シャワー
- 午後、トロリーでアラモアナショッピングセンターへ
- アラモアナ近くのホールフーズマーケットのデリで夕食を調達
- 夕食→入浴→就寝
4日目(滞在3日目)
- パールハーバー
- The BUS (片道定額2.75ドルの公共バス)で1時間弱
- 戦艦ミズーリ(退役した本物の戦艦)見学
- 無料の日本語ガイドは絶対頼むべし
- 太平洋航空博物館
- アリゾナ記念館は修理中で行けず
- バスでワイキキに戻る
- ホテルのプールでクールダウン
- オーガニックフードのデリ&レストランがあるDuke's Lane Waikikiで買ったベジピザとポキ丼をディナーに
- 入浴→就寝
5日目(滞在4日目)
- あえて夕方のフラショー以外は予定を決めずにおいた日
- 午前はお土産を買う時間に
- 食べなれない食事が続いて少し子どもの食欲が落ち気味だったので「丸亀製麺」でランチ
- かけうどん(中)が4.5ドルくらい。ワイキキでは破格の安さ
- 午後はビーチ→プール
- ハイアット1階のファーマーズマーケットへ。軽食やお土産物が買える
- クヒオビーチのデューク・カハナモク像近くのステージで、無料のフラショー
6日目(滞在5日目)
- ダイヤモンド・ヘッド登山
- 3歳児連れということもあり、無理をせず軽く朝食を食べてから出発
- 赤ちゃん連れ・子連れもちらほらいる
- 励まされながら、子どもも自力で登頂
- 帰り道、シェイブアイスでクールダウン
- 帰りは遠回りのトロリーしかないので、諦めてのんびり街に戻るか徒歩とバス乗り継ぎで戻る必要あり
- 午後はプールでのんびり過ごす
- サンセットディナーが楽しめるDuke's Waikikiでお食事
- キッズメニューあり・塗り絵とクレヨンのプレゼントも
最終日
- 早朝に送迎ピックアップ
- 機内食はランチと着陸少し前の軽食(サンドイッチ)
- CAさんにおもちゃをいただく
- ひととおり飽きた頃に、再びCAさんが小皿の絵付け体験を持ってきてくれる
- なんだかんだ大人しく過ごし、帰国
まずは、旅行中に体調を崩さないでくれた我が子に感謝です。
大人だけならもっと詰めて色んなことができたかもしれませんが、それは子どもが独立してからまた来ればいい話(またハワイに行くことを目指して日々頑張る!)。
最後に、子連れ旅ではあまりお勧めしない過ごし方が一つ。
それは、ショッピングです。
ハワイには大きなモールがいくつもあるし、免税で買いたいものや日本には売っていないものもたくさんありますが、日本国内ですら子連れではろくに物を見られないのに、海外では尚更です。
どうしても買い物したい人は、パートナーに預けて独りで街に出ることをおすすめします。
でも、子どもが一緒に旅行に行ってくれる機会は人生の中でも案外少ないです。
だからこそ、子どもが小さい内くらいは、皆で一緒に過ごせることに時間を使ってはいかがでしょうか?というのが私の意見です。
今回の旅は、1週間子も親も楽しく過ごすことができた、また行きたいと思えた旅でした。
マハロ!
運転免許証を返納しようか迷っています
免許、返納してしまおうかな…という話。
先日、運転免許証の更新に行きました。ICDを入れてから初めての更新です。
「優良」ドライバーなので、警察署でささっと更新できます〜。…とはいかず。
更新の手続き自体は健常者の方と同じようにできましたが、新しい免許証を受け取るまでの間に診断書を提出するように言われました。
流れをまとめるとこんな感じ。
- 最寄りの警察署に行く
- 収入印紙を買い、更新の申込書に記入
- 申込書裏面の質問票に記入 ★ここに持病についての質問がある
- 申込書を受付に提出すると、裏面の回答を見て別途確認される
- 病状について質問に答えた後、通常どおりの視力検査と講習を受ける
- 講習終了後、免許証の引換証とともに、主治医に書いてもらうための所定の書式を渡される
- 免許証の受け取り時、もしくはそれまでに6の書類を警察署に提出するよう言われる
ここまでが、更新に行った当日に完了できた内容です。
その後、免許証の受け取りまでに病院で書類を書いてもらって、受け取り当日に提出。その場で免許証を受け取ることができました。
その後が、私にとっては悩みの種…。
免許センターから届いたのが、冒頭の書面(ぼかしすぎて何も見えませんが)。
免許証の受け取りまでに書類を提出すれば、免許証は受け取れるものの、その後に免許センターで改めて書類のチェックが行われるそうです(お医者さんの診断によっては受け取れないこともあるのかも?)。
それで、私の場合は、後日届いた書類で「6ヶ月ごとに診断書を提出すること」という条件が付きました。
診断書を提出すること自体はいいと思うんです。自分自身や人の命を守るためにも、体調に不安がある状態で運転するのはやはり良くないと思いますし、反対に医師の診断のもとに運転するならば、持病があるからといって遠慮することもないと思います。
でも…
私、ペーパードライバーなんです。。
我が家、車持ってません。公共の交通機関で生活できてしまうエリアなので必要が無いんです。
今の生活が続くなら、この先もう二度と車を運転することが無い可能性もあります。
なので、警察から渡された所定の書式をお医者さんに書いてもらう費用と手間が、もったいなく思えてしまって。
でも、将来車を運転する必要ができた時にもう一度教習に通うのはとっても大変(時間とお金)と思うと、気軽に返納し難い気持ちもあるのです。
免許を自主返納した人が再度取得する場合、軽減措置は一切ありません。
講習の免除もなければ、費用の免除もないので、教習所に通って免除を取り直すのに半年&20〜30万円かかるのです。
文書費(先生に書類を買いてもらう費用。なお、保険対象外なので全額自己負担です)が1通約4千円だったか6千円だったか…。
4千円として、年に2回診断書を提出すると、教習費用(25万円)と同じ額に達するまで(物価の変動は無視)に31年かかりますが、それを安いととるか高いととるか…。
25万円あったら海外旅行行けますもの。
というか、忙しい先生にペーパードライバーのために書類を書いてもらうのも申し訳ない。
決め兼ねてはや数ヶ月経っていますが、まだまだ答えを出すには時間がかかりそうです。
日本と海外での微妙な違い
「ペースメーカー入れてます」と言った時の、日本と海外の反応の違いについて。
空港でのこと
ICDペースメーカー利用を申告した時の、検査官の方が見せたリアクションに微妙な違いを感じました。
日本でも米国でも、最初のリアクションは「あっ!」とか「Oh.」という反応でしたが、微妙なニュアンスの差が。
日本の「あっ!」には、その瞬間から私を「障害者」と認識した響きがありました。
※なお、私は「障害者」という呼称にネガティブなイメージは持っていません。障害者=「障害を持つ者」ではなく「社会に障害(障壁)を作られている者」と解釈しています。障害があるのは人ではなく社会、というスタンスです。
悪い意味、差別的な目線になったということではなく「配慮が必要なお客様」と気遣う意識に変わったという感じです。ただ、気遣うと同時に一瞬で私の周りに境界線が引かれたような気がしました。差別ではないが区別というか。
一方、米国での「Oh.」には、「その年齢で?大変だね!」と少し驚いているようなニュアンスは感じましたが、前後で何か対応や見る目が変わったような印象は受けませんでした。
米国は日本よりもペースメーカーを入れている人が多いそうです(人口も多いですが)。だからかもしれませんが、より自然に受け止められているというか、「気にされていない」感がありました。
「差別」に敏感な文化背景を持つから、というのもあるかもしれません。
結果的には両国でほぼ同じ言葉をかけられ、同じ対応を受けたのですが、日本の方が「距離を置かれた」感がありました。
円の「中」と「外」
日本は、普段の生活でも「健常者」「障害者」を区別して考える空気を感じています。
実際は、健常者と障害者の間にはっきりとした線引きなんてできないのに。両者の間はもっとグレーで、なんなら「健常者」なんて存在しないかもしれない。
制度設計や行政サービスを決めるときには、なんらかの線引きは必要になると思います。でも、世間まで同じような考え方をする必要はないですよね。もっと「グレー」であること、線引きして解決することはできないという認識が一般に広がって、区別するのではなく同じ円の中で違いを受けとめていけると良いのになと思いました。
日々なんとなく生きづらさを感じたり、病気や障害を持つ人が気持ちよく生活できていないのでは…と思うことがある中で、異なる文化に触れたことで見えた、少しの気づきです。
ICDペースメーカー使用者の空港保安検査
たまには、人の参考になる話題も書かねば…ということで。
ICDユーザーが飛行機の利用を考える時に気になることといえば、「空港の保安検査(手荷物検査)」ですよね。
ペースメーカーを使用している人が旅をするのは当たり前のことだし、何か不安に思っているわけではありませんでしたが、実際「誰に・どうやって」申告して検査を受ければ良いだろうか?ということは気になっていましたので、今回の旅行で体験したことを紹介します。
出国時(日本・成田)
どこで申告すればいいの?
…というのがまず最初の疑問。空港のwebサイトを見ると「検査員に申告してください」と書いてあります。
ですが、そもそも検査員ってどこにいる人なのー?
保安検査場の近くにいる人だってことくらいはわかるけど、一連の流れの誰に言えばいいのか…。
答えは、「検査ゲートの直前にいる人」でした。
トレイに入れた手荷物を通すところにいる人(四角い箱に荷物を通す人)ですね。
手荷物をトレイに入れて預ける時に、「ペースメーカー入れてます!」と伝えたら、「ではこちらから進んでください」とゲートの脇を通った先で待つように言われました。
同時に、女性の検査官の方に声がかかります(体に触れるので同性が検査してくれます)。
2つあるゲートの間には、高さ10cm ほどのお立ち台。普通にゲートを通るなら、気づかなそうです。それに乗って待つよう言われたのですが、乗る前に検査官の方が来てくれて、台には乗らずに検査されました。
検査方法
特に器具は無く、手で触って終わりでした。
べたべたと全身探られることもなく、不快でない程度にささっと触っていき、数秒で終了です。
これは検査官の人のやり方やその時の服装によって個人差があるかもしれません。
場所は、特に囲いなどもなく(強いて言えば低いお立ち台がある)、誰からも見えるところで公開検査でした。
保安検査場って荷物預けたりゲート通ったり忙しいので、ゲートの脇をスルーして触られてる人がいたとしても、見ている人はそんなに多くはないでしょう。
検査が終わったらあとは他の方々と同じように荷物を受け取って終わりです。
証明書は必要?
念のため、ICD手帳を見せられるように準備していきましたが、特に確認されませんでした。
ただ、確認されることもあると思うので、一応手荷物から取り出しておくと良いと思います。
それから、言語の壁がある時にもICD手帳が役に立ちます(後述)。
帰国時(ハワイ・ホノルル)
どこで申告すればいいの?
日本と同じく、荷物を預ける時の検査官に申告しました。
そうしたら、「Oh, OK.」と言ってどうすれば良いか教えてくれました。
「ペースメーカー入れてます」を英語で言うと?
- Excuse me, I am using a pacemaker.
- Excuse me, I am a pacemaker user.
こんなもんで通じます。なんなら、「pacemaker」という1語が伝われば大丈夫です(多分。でも、コミュニケーションの礼儀として上の一文くらいは暗記しても損はないと思いますよ)。
もしくは、ICD手帳に各国言語で「海外旅行等の際の注意書き」が書いてあります。
私が使っているメドトロニック社のICD手帳の場合は、表紙をめくった次のページにあります。
自分で伝えるのが難しければ、このページを開いて見せてしまいましょう。
検査方法
その時並んでいたレーンには、ペースメーカーOKのゲートがあったので、「こっちのはペースメーカーでも通れるから進んで」と言われ、ゲートの検査官に「ペースメーカーの人だよ!」と伝えてくれました。
その後は他の人と同じように検査をしてスムーズに通過しました。
まとめ
空港の職員さんは日々大勢の利用客に対応しているでしょうし、難しい説明をせずとも一言声をかければ、必要な対応をしてくれそうです。
ただ、空港によって検査の仕方は違うようです。人から見えないスペースが用意されているところもあれば、皆の前で検査されるところ…。ホノルルにあったICDペースメーカーOKのゲート、あれはいいですね。皆と同じように検査できるので。
「間違って通っちゃいけないゲートを通ってしまうわけにはいかない」と、最初は緊張するかもしれませんが、心配なら全ての通過点で係の人に聞いても良いのですから、あまりナーバスにならずに、旅行好きなICDペースメーカーユーザーさんは気軽に飛行機の旅を楽しんでほしいなと思います。もちろん、旅先での体調管理など他に気をつけることもあるんですけどね。
もしこれから旅行を考えていてこのページにたどり着いた方がいるなら、どうぞよい旅を!
子連れ・ICDペースメーカー使用者1週間ハワイ旅
ICD植込みをしてから初めての海外旅行から帰って来ました。
いやぁ〜、やっぱりいいですね、Hawaii!
仕事が変わるタイミングで時間の都合がつきやすかったので、海外旅行したい!貯金するより時間を作る方が難しいんだから!とパワープレゼンし、一足早い夏休みと相成りました。
支払い明細が怖い。
(でも、ハワイは6月が一番安いんですよー)
そんな庶民の卑しい心模様を吹き飛ばしてくれるような、この空と海!
雨季が終わって晴れの日が多くなる、とても良い季節にも関わらず、大型連休後の閑散期なので、お天気は抜群だしほどよい混雑具合だし、とてもいい時に行けたなぁと思います。
大満足の旅
いい気分なので、トリップアドバイザーに高評価のレビューを書きまくっています。
夫がハワイ初めてだったのと、幼児連れなのでできるだけのんびりと、定番をめぐる旅を計画しました。
3歳男児、ホームシックにもならず(行きの飛行機で目覚めた時に1回だけ、「お家帰りたい…」と呟いてました)、毎日プールに入って大喜び。
地元の人も他のツーリストも皆子どもに優しくて、最初は戸惑っていた我が子もいつしか「アロハ〜!」と返せるようになっていました。
私の体調も特に問題なく(いつもと環境が違うので薬の飲み忘れが多かったですが)、空港の手荷物検査もスムーズに通過できました。
結論、幼児連れ海外旅行、ICDペースメーカーユーザーの海外旅行、全然いけます。
これから少しずつ記録を公開していこうと思いますが、まずは行ってよかった!という素直な気持ちだけ書き留めておきます。
関連記事
手荷物検査の話や旅程など、別の記事にまとめています
Now boarding
行ってきます!
家族の休みを合わせて、ちょっと早い夏休みです。
ICD・ペースメーカーユーザーが気になるのは、保安検査。
保安検査場に着いて、手荷物検査の係員に「ペースメーカー入れてます」と伝えたら、女性の検査官の方を呼んでくれて、ゲートの脇でボディチェックをされました。
なお、特にパーテーション等は無く、公衆の目に晒されながらのチェックでした(成田空港)。
楽しみにしていた保安検査というイベントを終えてホッとしたのもつかの間、我が子がトイレを要求したため、大慌てで出国…。
保安検査場から出国審査を通るまでトイレは無いので、子連れの方は必ず保安検査前にトイレに行くことを強くおすすめいたします。
次の楽しみはチャイルドミールを頼んでおいた機内食。
可愛いといいな〜!